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2025.09.09
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三次元測定機とは、ステージ上の測定物に接触子(プローブ)を当て、縦・横・高さの座標情報を取得することで、対象物の位置関係や幾何公差、寸法などを高精度で測定する機械です。また測定物のデータを記録し、各種演算処理により数値化・解析を行います。
ただし、三次元測定機は高精度な測定ができるゆえに、測定時の環境・測定物の状態などの要因により、測定結果に差異が生じる場合があります。正確な測定データを算出するためには、さまざまな要因に配慮し、環境を万全に整えなければなりません。
多くの材料は温度変化によって膨張・収縮します。これを熱膨張と呼び、わずかな変化であっても高精度測定においては無視できない誤差となります。三次元測定機を使用する際には、温度変化による影響を防ぐために、一定の環境温度を維持することが必要です。
測定時の温度は、JISやISOによって標準温度として規定があります。製品の幾何特性仕様及び検証のための標準基準温度について定めた国際標準であるISO 1では、この温度は20℃と定められています。
空調設備の温度設定を20℃に設定しても、部屋全体を均一に20℃にすることはできません。高さや部屋の場所により、温度差が発生するからです。
対策として、サーキュレーターによる空気の循環を促し、部屋全体の温度をできるだけ均一に保つことをおすすめします。ただし、三次元測定機や測定物に直接風が当たらないよう注意が必要です。
また、操作する人の体温や、測定物自体の温度にも留意が必要です。室温が安定していても、測定物自体が異なる温度を持っていれば誤差の原因になります。例えば、外部から搬入したばかりのワークは、すぐに測定せず一定時間室内に置いて室温と馴染ませることが推奨されます。オペレーター自身の体温や手での取り扱いによっても、測定物に温度変化を与えることがあります。素手での長時間接触を避け、必要に応じて手袋を使用するなどの配慮も効果的です。
三次元測定機で測定する際、温度差が測定結果に影響を与えるため、室温を環境標準温度の20℃に設定することをおすすめします。
また測定物も室温の変化による熱膨張で測定結果が変わる恐れがあるため、事前に室内に置いて温度を均一にする必要があります。
適切、かつ正確な測定結果を得るために本記事の内容を心がけましょう。
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