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2025.09.09
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三次元測定機とは、検査対象の物体表面に測定端子(プローブ)やレーザー光などを当てて縦・横・高さの座標データを取得し、検査対象の立体形状を計測する機械です。ノギスやマイクロメーターによる手作業では測定が難しい複雑な形状でも、高精度の三次元データを取得できます。
測定方法は以下の2種類です。
プローブ(接触測定端子)を対象物体の表面に当て座標データを取得し、複数の座標データにより測定物の幾何的形状を三次元的に取得します。プローブで対象表面をなぞることにより、倣い測定を行うことも可能です。プローブの取付方式により、門型・アーム型の種類があり、比較的高精度の計測に適しています。
レーザー光や透過光、投射光を使って形状を計測する方式です。広範囲の高速測定に適しており、接触が難しい柔らかい材料の測定や、形状評価などに使用されています。
三次元測定機は以下のような用途に使用されています。
測定対象物を部位ごとに寸法や角度の計測が可能です。特に高精度な測定機では1㎛(1ミクロン=1/1000ミリメートル)以下の微細なサイズまで計測が可能で、精密部品や医療機器などの品質保証にも活用されています。
実際に対象物から計測した立体データと設計データを比較する形状検査にも利用が可能です。例えば設計データと実物形状のズレを、プラスとマイナス方向でそれぞれに色付けし、改善箇所をすぐに視認できる機能があります。また高精度データでは表面の微細な凹凸も検出が可能です。
3Dプリンタの普及に伴い三次元データの活用機会が増大してきました。立体物のリバースエンジニアリングでは既存の部品から三次元データを取得し、それを元に試作品を作る手法が取られます。これには「STLファイル」という形式の三次元データで保存され、多くのCADや3Dプリンタを利用して補修部品の再現や試作品の短期間製作が可能です。
三次元測定機は、製品の品質保証に必要不可欠な計測機器であると同時に、3DプリンタやCADとの連携により、開発工程の効率化や短納期化にも大きく寄与しています。
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