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2025.10.20
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真円度とは、測定物が真円にどれだけ近いかを示す形状公差の一つです。どんなに正確に加工した円でも、わずかなうねりやゆがみが生じることがあります。真円度を定義することで円の形を一定の範囲内に規制します。
真円度を表す記号は「〇」です。例えば「〇0.1」であれば真円度0.1と読み、その円の輪郭線を同心の内接円と外接円で挟んだとき、両円の半径差0.1mm以内となることを表します。
真円度の測定は、自動車のエンジン部品(クランクシャフトやシリンダー)や医療機器(カテーテルやインプラント)など、高い精度が求められる製品に置いて特に重要です。真円度が適切でないと、自動車であれば振動や騒音、医療機器であれば事故につながる可能性があります。
真円度を測る測定機器には三次元測定機のほか、ノギスやマイクロメータ、三点マイクロメータなどがあります。また、高精度な測定が可能な専用の真円度測定器もあります。
真円度と円筒度は、どちらも形状公差に関する幾何公差です。しかし両者は形状を規制する範囲が異なります。
真円度は円形部分の特定の断面における形状が対象です。円形の任意の箇所のみが対象のため、先にいくほど細くなるテーパー形状やクランクシャフトといった複雑な形状でも使えます。ノギスやマイクロメータ、三点マイクロメータなどでも真円度の測定が可能です。
一方で、円筒度は円形部分の全体を規定します。真っすぐな円筒形状のシャフトなどで用いることができますが、測る場所によって値がばらつくテーパー形状では使えません。測定する箇所が多く精度も要求されるため、三次元測定機や真円度測定器が適しています。
真円度の測定には、それぞれ以下のような方法があります。
半径法とは、測定物の凹凸を測定する方法です。三次元測定器や真円度測定器で測れます。
この方法では、実際の断面形状も分かります。
1.測定子で測定物をなぞって測定します
2.測定結果から、最小自乗中心法によって求める
1.回転台に測定物を載せる
2.測定物に測定子を当てつつ、測定物を回転させる
3.指針の振れの最大値と最小値を求める
4.最大値から最小値を引く
直径法とは、二点測定器で測定物の直径寸法を測定する手法です。卵型の形状のゆがみは検知できますが、円と同様に2点間距離が等しくなるルーローの三角形状のゆがみは検出できません。
1.ノギス、またはマイクロメータを用意する
2.測定物を複数回にわたって挟み、指針の読みの最大値と最小値を求める
3.最大値から最小値を引き、2で割る
1.内側マイクロメータ、またはシリンダゲージを用意する
2.穴に測定器を挿入する
3.指針の読みの最大値と最小値を求める
4.最大値から最小値を引き、2で割る
三点法とは、三点測定器で測定物の凹凸を測定する手法です。ルーローの三角形状のゆがみは検知できますが、3点の誤差が小さくなるため楕円や卵型の形状のゆがみは検知できません。
1.ダイヤルゲージとV字ブロックを用意する
2.V字ブロックに測定物を載せる
3.測定物に測定子を当て、測定物を回転させる
4.指針の振れの最大値と最小値を求める
5.最大値から最小値を引く
1.三点マイクロメータを用意する
2.穴の中に測定器を挿入し、回転させる
3.指針の振れの最大値と最小値を求める
4.最大値から最小値を引く
今回は、三次元測定機による真円度の測定方法について解説しました。真円度とは、対象物がどれだけ真円に近いかをを示す指標です。三次元測定機のほかにも測定方法がありますが、三次元測定機を用いると外周全体の形状や、直径寸法も同時に測定が可能です。
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