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2025.07.11
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三次元測定機とは、対象物を立体的に捉え、形状や寸法を測定する装置です。測定結果はX・Y・Z軸の座標データとして記録され、各座標の情報をもとに算出されます。 従来のメジャーやノギスでは測定が難しい複雑な形状にも対応できるほか、仮想点や仮想線を基準とした幾何公差の測定や、仮想原点から特定点への距離測定なども行えます。幅広いニーズに対応できるため、非常に汎用性の高い測定機です。
三次元測定機で測定できる公差の1つに「輪郭度」があります。輪郭度とは、設計された“理想的な姿”に対して、曲線や曲面の形状がどれくらい正確に作られているかを評価するための指標です。設計の理想輪郭に対して、実測形状がどれだけ内外にずれているかを評価します。輪郭度の測定には、他の測定機を使うことも可能です。しかし三次元測定機であれば、線と面の両方を測定できるため、複雑な形状の測定にも適しています。
線の輪郭度は、曲線を正確に形成するための幾何公差です。曲線が理想形状に対してどれだけの範囲内に入っているかを測定することで、製品が規格内に収まっているかを確認できます。主にタービンブレードやカム形状などの曲面を切断し、その断面が指定の許容範囲内にあるかを評価します。
面の輪郭度は、曲面全体の精度を測定する際に使用されます。三次元測定機で輪郭度を測る際、多くの場合、この「面の輪郭度測定」が行われます。主にデザインの曲面が設計通りに仕上がっているかを確認するために活用されます。3DCADなどの理想面に対して、実形状がどれくらいの範囲内に入っているかを、点群データや倣いプローブで取得した測定値と比較することで評価します。
三次元測定機による輪郭度測定は、以下の3つのステップで実施されます。
1.対象物を設置し、CADデータ座標とのアライメントを実施
2.対象物の測定ポイントに対 してスタイラスを接触または面全体をスキャニングして点群を取得
3.測定した点を設計値と比較し、偏差を算出
上記の手順を踏むことで、高精度な輪郭度の測定が可能になります。
三次元測定機による輪郭度測定は、「設計形状にどれだけ一致しているか」という形状評価の根幹を担う測定です。特に複雑な自由曲面や意匠面など、従来の二次元測定では対応しきれなかった測定にも対応可能です。
三次元測定機を使用すれば、線・面の両方の輪郭度を正確に測定できます。簡単な操作で高精度な測定ができるため、輪郭度の測定が必要な場面では、三次元測定機の導入を検討してみましょう。
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