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2024.08.31
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三次元測定機は、高精度な測定を要求される製造現場において不可欠な測定装置です。昨今、より速くより良い精密で測定できるように技術進歩を遂げてきました。しかし、いくら高精度で測定ができる機会であっても測定方法(測定点の配置やプローブの種類など)や環境条件(温度や湿度など)、測定対象物(形状、材質など)などの様々な要因によって、測定結果にばらつきが生じることがあります。 つまり、正確な測定を行うためには様々な要因を考慮し、環境を整える必要があるのです。
物体によっては熱膨張によって体積が変わるため、温度変動によって測定結果に影響を与える可能性があります。そのため、三次元測定機を使用した高精度な測定を行う場合には、一定の温度を保った環境で行うことが重要です。
なお、国際標準化機構(ISO)や日本産業規格(JIS)によって「標準温度」が定められています。製品の幾何特性仕様及び検証のための標準基準温度について定めた国際標準「 ISO1」では、20℃が標準温度です。
たとえ測定室の空調温度を標準温度の20℃に設定したとしても、室内全ての温度が均一に20℃になるわけではありません。実際には、場所によって温度差が発生していまいます。その対策として、サーキュレータを測定室内に設置し、空気を循環させて温度を均一にする方法があります。これにより、室温を一定に保つことができます。なおこの場合、三次元測定器に直接風が当たってしまうと測定結果に影響を及ぼすため、注意が必要です。 また、室温以外にも対象物の温度や対象物を取り扱う人の手の温度なども意識する必要があります。例えば対象物に関しては、あらかじめ測定室に5時間以上置いておき、室温にならすことができます。これにより、対象物自体の熱膨張による誤差を防ぐことが可能です。